氷海回想
街にはほとんど残雪がなくなりました。坂道や曲がり角に残る滑り止めびり砂の清掃が始まっています。ウ
チの庭も、裏の家の屋根から落ちた雪が小山を作っていた一部を除いて、朽ち葉と黒い土とわずかな草の芽
の風景に変わっています。明るく暖かい春の日射しを嬉しく思う一方で、わたしはもう、厳しくも美しい氷雪をな
つかしく感じています。
というわけで今日は、まだアップしていなかった先月下旬の海氷写真です。今年はこれが最後。次は来年流氷
が来てからです。岬の崖下、陰になる時間が長いところでは、残氷の間を薄氷が埋めています。朝から陽が当
たるあたりでは、名残の沿岸氷を波が洗っています。小さな氷片が漂うだけの沖に目を転じれば、この海を待ち
かねていた漁船が操業を始めています。
からちょうど1週間後でした。