若葉の森を歩く

　網走湖呼人半島崖上の森は、アズマイチゲやエゾエンゴサクなどが咲き乱れていた月初めから、すっかり装

いを変えていました。黄緑が残っているのでまだうっそうとした感じではありません。それでもひと気のない原生

林の小径を一人たどると、何か出てきそうです。とはいえここは畑と湖に挟まれていて、それほど深い森ではな

いのです。足元まで緑が迫っていますが、倒木、蔦、潅木、笹などは切られたり刈られたりしていて歩きやすい

小径で、手軽に深山にいるような気分を味わえます。

　２キロほどの周回路の全体にあれほどたくさん咲いていたエゾエンゴサクなのに、今回見つけたのは葉が大き

くなって花は終わりかけの一株だけ。林床に咲く花は白いエンレイソウとニリンソウしか見ませんでした。野鳥の

囀りは前回よりもっとにぎやかなのに、木が茂ってほとんどシャッターチャンスがありません。けっきょくかろうじ

て葉がくれのオオアカゲラを一枚だけ。