上藻別駅逓
6月12日 紋別市上藻別駅逓
ロ遺跡。でも参加者の興味を引かないと判断されたのか、ここは行程に含まれて
いません。もっともこの日の紋別は、今にも雪が降るのではと思うほど冷え込み、
加えてオホーツク海からの風が冷たく、行ったとしてもわたしも外を歩く気にはなれ
なかったでしょう。
帰路立ち寄ったのが、市街から20キロ余り内陸に入った原野に残る上藻別(か
みもべつ)駅逓です。聞いたことはあるけれどはっきりとした意味は知らない、「駅
逓」というのはわたしにとってそんな言葉の一つでした。馬が主要な交通手段であ
った時代に、交通・宿泊・通信の拠点として作られた施設だそうです。古代道路の
駅の復古版というところでしょうか。昭和初期には道内に608カ所あったとか。現
在その建物が残るのは10カ所。
大正時代に上藻別に近い鴻の舞というところに金鉱山が開かれ、当時の日本で
最大の金銀産出量を誇るところまで発展し、最盛期には1万人余の人々が集住し
たそうです。その鴻の舞と紋別を結ぶ拠点がこの駅逓。鉱山の賑わいも今は昔、
バスは集落跡を通りましたが、人の気配もない草地と林が続いていました。
ネット上の記事に、上藻別駅逓は保存会の皆さんの努力で民俗資料館として整
備され、国の有形文化財として登録されたと説明されています。懐かしい風情の木
造家屋も、資料展示室として使われているサイロもいい感じ。内からサイロの天井
を見たのは初めてです。地域の人々が持ち寄ったレトロな品々のなかに、今はほ
とんど目にすることのない琵琶もありました。
この駅逓の記事は明日も続きます。