咲いた桜はただ一本


 
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 今年初めて桜の花を見ました。昨日は青空が広がったので、一山がそっくり花園に仕立てられている、北見フ

ラワーパラダイスへ。やっとコブシはが咲きはじめたところで、去年はもう終わっていたエゾヤマザクラは、固い

蕾のままでした。一本だけ咲いていたこの桜、種類がちがうようです。青空は今月に入って3回目。今日はまた

雲が広がる予報です。


戦争状態を!()
 

 ユニクロを経営する柳井さんの発言が話題になりましたね。「これからの日本は年収1

円の人と、年収100万円の人に二分化されて中間層がなくなる。低賃金で働く途上国の人

の賃金にフラット化するので、年収100万円のほうになっていくのは仕方がない」、と言った

とか。柳井さんは優秀な経営者みたいだから、〈やがて国民国家日本は衰退し、市場とし

ての魅力がなくなる〉って、読みきっているんじゃないかな。そんな状態の日本を、経営に

どう利用し、いつ捨てようかと、考えている。

 年収1億円にまでなれば、世界のどこにいても快適にくらせる。その認識は安倍自民党

の閣僚にも、橋下さんにもあると思う。勝ち組になると、どんなにひどい状態になってもこの

国でくらすしかない連中に、共感できなくなるのかも。負け組みになるようなダメなヤツはし

ょうがない、ってね。世界を飛び回るグローバル企業の経営者である柳井さんには、これが

正論だと思える。しかし彼の会社で、ぼろぼろになって退社する5割の従業員には、とても

正論だとは思えないでしょう。

 100万円になるほうが国民の大多数です。彼らには、企業利益の増大=国益の増大とい

うロジックは、通用しません。投機と経営のグローバルな合理性の追求が、国民的利益と

相反する時代になっています。企業論理の合理性に沿って、解雇規制を緩和し、サービス

残業を合法化し、派遣や有期雇用での雇用コスト削減を容認する。円安に誘導して輸出企

業を支援するのは、当然アメリカのグローバル企業が反発します。彼らを敵に回したくない

ので、彼らの日本市場への参入保証となるTPPを推進する。食品の安全性をないがしろに

し、公的保険制度をずたずたにしようとする、彼らの狙いを知りながら。1億円層は世界中

から自分好みの食品を集められるし、公的保険に頼る必要もないからね。モノと外貨建て

資産がある彼らは、円安によって消費物価が上昇しても困らない。インフレターゲットを実

するのに、むしろ好都合。

 これじゃあ、年収100万円のほうに進む国民が、日本国民であり続けることに不安になる

のは当然です。その不安を利用して、それもこれも中国のせいだ、韓国のせいだと煽り立

て、戦争を思わせる雰囲気を作る。戦争だから何を犠牲にしても勝たなくてはという気分を

盛り上げ、日本企業を勝たせるため、国民の生活の質と所得と税金をグローバル企業の

利益に付け替えようとする。せっせと国民国家日本の墓穴を掘っているわけです。

 メディアの報道だと、安倍自民党の閣僚や橋下さんなどが、国際社会で予想以上の反感

を買っている事態を見て、あわてて発言のトーンダウンを図っている、みたいになっているよ

ね。甘いなー。結果として彼らも墓堀りに加担しているんだね。安倍さんや橋下さんはもっ

とカシコイから、国内で戦争気分を盛り上げて、国外で日本国籍グローバル企業が排斥さ

れない、ぎりぎりの落としどころを探っているんだと思う。そんなサーカスがうまくいくかどう

かはわからない。そのスリルが彼らには楽しいんだろうね。(終わり)