終わりのアズマイチゲ
デジモナさん、お写真にある神社の杉の木を見て、なにやら懐かしい気がしました。こちらでは見る機会のな
い木です。
4月半ばの森では、退く残雪を追って1輪2輪咲きはじめていたところでした。5月5日のアズマイチゲは、葉が
広がるなかに、花はぽつりぽつりと。冬に戻ったような天気が続き、森を歩く気にならなかった半月ほどの間に、
花の盛りは終わっていました。
早朝は花弁をすぼめ、十分に明るくなるとのびのび開きます。この日はときどき薄日がさす程度だったので、
閉じていたり開いていたりその途中だったり。九州から北海道まで、林間に咲く花のようです。特に珍しいわけで
はないけれど、まだ葉のないさびしい林をいち早く飾るから、見つけるのが毎年の楽しみです。葉の緑を隠すほ
どの大きな花叢だとすこしちがう印象ですが、このくらいの数だと楚々とした風情が心に沁みてきます。