リニューアルモヨロ貝塚館


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 今日と明日のテーマはオホーツク文化とその担い手。モヨロ貝塚は、発掘されたオホーツク文化遺跡のなか

で、最大のものです。5世紀、続縄文文化後期にある北海道で、稚内地域から知床半島に至る北と東の海岸沿

いに住みついたのが、オホーツク文化人です。

 この文化の痕跡は9世紀に忽然と消えます。当時の道内先住民は擦文文化期に入っていました。擦文文化

に同化し、吸収されて、内陸域に移ったというのが、定説のようです。わたしはオホーツク文化が、13世

紀から始まるアイヌ文化の、一つの源流ではないかと考えています。

 モヨロ貝塚館は全面的に改築されて、今月リニューアルオープンしました。前の施設に比べると、見違

えるほど大きく立派になっています。屋外の発掘跡や復元住居はほとんどそのままでしたが、屋内展示

はとても多くなり、行き届いた解説が付けられていました。

 一枚目は発掘跡の再現です。左隅の、甕を被せられた頭蓋骨のレプリカが、二枚目です。オホーツク

文化に特徴的な埋葬方式のようです。狩に使われた矢の、洗練された美しさが印象的でした。矢尻こそ

石ですが、まっすぐな軸とあざやかな模様の矢羽。オオワシオジロワシの羽は、ヤマト時代から本州

の貴族や武人にとって、憧れの的だったようです。オホーツク文化人は、陸と海の優れたハンターであっ

ただけでなく、優秀な交易者でもあったと、解説にありました。

 出土した甕を見てください。擦文文化とともに、日本列島最後の土器文化の到達点を示しています。整

った形とすっきり美しい装飾。住居の平均床面積は72.74㎡で、擦文文化の3倍だとか。文明前の「未開

文化」なのに、想像以上に豊なくらしだったのではないかと思いました。