エゾエンゴサクの目覚め
デジモナさん、高千穂の山容は意外にずんぐりしていますね。名前などから、例えば桜島のようなもっとス
マートなイメージをもっていました。
朝でした。畑と斜面の間の、枯れ草積もる小さな林です。最初はまだ咲いていないと思いました。派手な
のは福寿草の黄色だけで、紫色はすこしも目に入りません。でも葉がありました。そしてよくよく見れば、
葉の色とはちがう小さな花が付いています。それからは歩き回る先で、次々に見つかりました。
それにしても小さい。たいていは花房全体でせいぜい1,2センチほど。これから花茎が伸びます。最盛
期には10センチほどにもなったような。そして十分に明るくなると、最後の一枚のように、一つ一つの花
の先が開いて、はなやぐ雰囲気を醸します。
この崖上が最盛期を迎えると、崖下の林床でも、エゾエンゴサクの目覚めが始まります。林の草叢で