摩周湖春まぢか


 デジモナさん、芙蓉の実はぽわぽわの毛があるのですね。オオウバユリの莢に似ていますが、こちらは裸

です。

 わたしも老人性欝の気配を感じることがあります。幸いちょっと車を走らせて、大きな景色のなかに

身を置くと気分が変わります。

 人口が過密で、人工物への依存が重篤になったことが、天変地異のもたらす災害を深刻にしている

のだと、わたしも思います。温暖化はじわじわ進んで100年か200年後にピークになるからまだいい

けれど、今後30年間で70パーセントの確率とされるM7級の首都直下型地震など、考えつめると欝に

なりそうです。

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

 湖水は現れていませんが、摩周湖は春を予感させる明るい陽ざしに包まれていました。氷を薄くする昼の気温

が、元に戻そうとする夜の気温より優性になっています。
 
 最後の一枚で地肌が赤いのは、酸化鉄が多いからでしょうか。なだれ落ちる雪に新たに削られ、覆い隠す草木

の緑がまだ萌えていないので、今の時季は特に目立ちます。


これからの温暖期・数十万年の見取り図
 
 4 二つの未来―極限のシナリオ

 埋蔵化石燃料を全部使い尽くしてから、やむなく非化石燃料に切り替えるのが、極限の

シナリオである。この場合、大気二酸化炭素濃度は西暦2300年ころに、今の5倍ほどの

1900 PPM2000 PPMで頂点に達する。炭素量で5000ギガトンである。西暦4000年で

も、今より3倍多い1300 PPM1000 PPMまでしか下がらない(1700 PPMがずっとつづくと

いう計算もある)1万年後でも、人為起源の温室ガスの10分の1から4分の1は大気中に残

っていて、完全な回復は40万年から50万年(100万年という計算もある)先になる。

 ピーク時の平均気温は、最低でも今より59度ほど高く(北半球高緯度地方ではこの2

)、ほとんどその水準のまま数世紀は下降しない。ピークの始まりは西暦2500年から350

0年の間のいつか。海水温は熱帯で67度、高緯度地方で10度ほど高くなる。緯度による

差が縮まり、世界気候の平準化が進む。ヨーロッパ、北欧、アメリカ合衆国のほとんどは、

冬でも雪が降らなくなる。最終的な海水準の上昇は70メートル。酸性化した世界中の海

で、貝やプランクトンなどの、殻をもつ生物は殻が溶けて大打撃を受け、海の生態系が変わ

る。

 極限のシナリオで予想される事態とよく似た地球の超温室化が、5000万年前の新生代

初期に起き、今より1012度、あるいはもっと高い気温が数百万年続いた。海面付近に棲

んでいた生物はこの時期を生き延びたが、深層海流が停滞し酸素が不足した深海では、

生物の大半が死に絶えたようだ。北アメリカでは多くの植物種が、分布域を北極に向かっ

1600キロ以上移動させた。大型哺乳類が奇妙に小型化したのもこの時期だ。その原因

は気体炭素濃度の増加よる植物の栄養不足 ( ※ )、これからの超温室化でも同じことが起き


ると心配する専門家もいる。現在の温暖化のスピードは、この時期よりずっと速い。

 新生代初期の温暖化は、地球軌道の周期によって、北半球高緯度地帯の太陽熱効果

が増大したことから始まった。温暖化したことで、微生物の有機物分解活動が活発になり、

海洋の二酸化炭素吸収能力が低下し、大気二酸化炭素濃度が上昇し、さらに温暖化が進

んだ。現在は完新世の穏やか気候をもたらした日射率周期がピークを過ぎている。これか

らの温暖化は、地球軌道の周期ではなく、ヒトの行動が引き金だ。そして温暖化が続くと、

新生代初期と同じプロセスで、いっそう温暖化が進む。(明日に続く)
 
 ※ 必要以上に濃い二酸化炭素で植物の成長速度が上がって、窒素など他の成分摂り

 みが間に合わなくなる。そのため植物体の栄養分がいわば薄められ、それを餌にする

 動物、その動物を餌にする動物も、大きな体は維持できなくなる。