雪融けを待ちかねて
少しでも早く農作業をはじめたいからでしょうね、雪原が融雪剤で黒っぽくなった光景が見られます。わたしは
秋のうちに庭土をすこしサンルームに入れておいて、それを庭に撒いています。農家の人はトラクターで大々的
に散布するので、農協などから購入するようです。コスト節約のためか、色が変わっているのは畑の一部です。
これからの温暖期・数十万年の見取り図
3 二つの未来―控え目なシナリオ
いずれにせよヒトは地球を温暖化させ、その影響は長く続く。予測されるなかで最善の事
なシナリオと呼ぼう。
主張する人もいるが、現在すでに387 PPMに達している。控え目な想定でも、500~600 P
PMが現実的である。17世紀以後に排出された炭素量は300ギガトン。さらに700ギガトン
増加し、1000ギガトンで落ち着くというシナリオである。1000ギガトンになる時期は西暦21
00年から2200年の間。
海洋の蓄熱効果はゆっくり現れるので、平均気温が最高点に達するのは、温室化ガス濃
度のピークから100年以上(550年というシミュレーションもある)遅れる。そのときの温度は
現在より2度から5度高い。気温が最高点で停滞している間も、ゆっくり冷めはじめてから
も、海洋底部冷水の温度上昇は続き、海水は膨張する。そして大陸氷床の融解も続いて
いる。その結果海面は、数百年あるいは数千年後に、現在より6~7メートル高くなる。
海水が少しずつ二酸化炭素を溶かし込むにつれて、海洋は酸性化するが、大気の炭素
濃度は下がっていく。だが西暦3000年から4000年には、酸性度が高くなった海水の炭素
取り込みが停滞しはじめる。この段階ではまだ、人が排出した炭素の4分の1から5分の1
が大気中に残っていて、気温は現在より1度から2度高めに保たれている。
その後は地上の岩石や海底の堆積物が海水の作業を引き継ぐ。しかしそれによる大気
炭素濃度の低下はとてもゆっくりしている。西暦7000年でも、残っている人為的温暖化ガ
スが極氷を融解し続けている。西暦1.2000年、まだ平均気温は現在より少なくとも1.1度ほ
ど高い可能性がある。現在の387 PPMに近づくには5万年以上かかり、完全な回復にはさ
らにその数倍の時間が必要になりそうだ。
これが控えめなシナリオである。(明日に続く)