海氷風景いろいろ
白い氷原の彼方に、ぽつんと黒い点が。望遠レンズで精いっぱい拡大してみると、どうやらワシのようです。見
えるかぎり凍結した海です。岸辺にはカラスがいるだけで、他に鳥の姿はありませんでした。それでも遠くかすか
に、ワシやカモメの鳴き声が聞こえます。沖に海面が出ているところがあって、鳥たちが集まっているの
でしょう。この一羽は、その喧騒から逃れてひと休みしているのかな。
ごつごつした氷塊の連続だったり、走る波の形で凍っていたり、波紋に似た模様を描く氷原だったり、海氷の姿
もいろいろです。どっしりとした厚い氷が広がるだけなら、景観はむしろ単調です。薄いところも、融けてまた凍っ
たところもあり、遠ざかったり近づいたりを繰り返えしているので、変化に富んだ海氷風景になります。沿
岸氷のクローズアップからも、再凍結だとはっきりわかります。
暖かい日が続くと、網走海岸には残氷を浮かべた波が打ち寄せます。でも、強い雪嵐をもたらす北寄
り・西寄りの風が吹くたびに、氷原に戻ります。今年の流氷はまだ立ち去る気配を見せていません。