鹿の足跡
デジモナさん、滝の写真、きれいですね。「ふずんたっ」とはなんとも奇妙な響き。話されているのを聞けば、
文字で見るのとはまたちがうでしょうけど。
流氷が来るちょっと前の能取岬で、わたしが駐車場に着いたとたん、2頭の若ジカが猛烈な勢いで車
の前を駆け抜けようとしました。ところが一頭は、人の踏み跡が凍ったところに足を乗せてつるり。左前
脚がたたまれて胸が雪に。でも倒れず、すぐ立ち上がり、仲間を追って崖のほうに消えていきました。華
奢に見えても、脚は頑丈なようです。骨折しなくてよかった。餌の乏しい冬は、ケガがすぐ死につながり
でしょう。
一瞬の出来事で撮る隙もなかったので、足跡を少したどってみました。崖の縁、急な傾斜も通っていま
す。雪が崩れて転落することはないのでしょうか。崖上は平らな広い草原なのに、わざわざ危ない場所
を行くシカの気がしれません。人の多い季節は森に隠れていても、流氷の見える晴れた日以外はほと
んど人が来ない冬は、風が雪を飛ばして笹の先端が露出している、崖近い草原を歩き回るようです。あ
ちこちに糞が残り、雪に体をこすり付けたらしい窪みもありました。