暗い森のオオウバユリ


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 7月末、サロマ湖畔の暗い森に咲いていたオオウバユリです。花が咲くころに葉が枯れて落ちるのを、乳を与え

た子どもが育つころに歯が抜ける乳母にたとえた命名という説があります。その葉は大きいと一株で120センチ

ほどにも広がるそうです。草丈は1~2メートル。花は薄い黄緑で白のあざやかさが損なわれるので、光の乏しい

薮のなかでは目立ちません。オニシモツケを撮ろうと車を停めなければ、気付かずに通り過ぎたでしょう。
 
 ここでは一本の茎に付く花の数がわりあい少なめでした。多い場合は20個ほどにもなるとか。先に咲いた下の

ほうの花は散った後かもしれません。花期は1週間程度と短いようです。花の後に莢ができ、かさかさになって枯

れた茎の先に残っているのを、雪が来てからも見ることがあります。ひとつの莢に蓄えられた実の数は20個以

上で、そのひとつ一つに600個ほどの種が入っているとか。一つの花から1万以上の種が生まれるのですね。

それが風に運ばれて、運よくいいところに着地すれば発芽します。でも成長して花を付けるのは10年ほど後。そ

してそれは株の命が終わるとき。

 鱗茎はアイヌにとって穀物より大切なデンプン源で、4,5月に掘り出して粉末に加工し、保存したとされていま

す。現代ではユリ根としての食べ方が普通みたい。芽や若葉も食用になるのだそうです。

 ウチの庭では赤いユリが終わって、いま黄色いユリが盛りです。