おそい麦秋
タムラ、ノリウツギのノリって製紙用の糊だったんだー。夏の森はノリウツギの他にもショウマやシモツケなど、
白い花が多いね。
麦秋(バクシュウ、ムギノアキ)は5,6月の風物ということになっているけれど、このあたりでは7月末から8月。
ほんとうの秋直前ですね。それも秋播き小麦の場合で、春播き(最後の一枚)だと収穫はじっさいに秋です。褐色
や黄色と緑のパッチワークに、木立と農家・作業小屋のいろんな色に塗られた建物が変化を付けて、気持ちのい
い風景になっています。富良野や美瑛でなくても、いまの時季にちょっと展望のいい田園に立てば、たいていど
こでも見られます。一枚目手前の緑はタマネギ。三枚目で麦とタマネギに挟まれた緑はビート。四枚目で麦の左
にはトウモロコシの帯。最後の一枚で上部中央の粉をふいたような緑は、花の季節が始まっているジャガイモで
す。
北海道ではTPP反対の大合唱。価格で輸入小麦に対抗するには、こんなパッチワークではなく、見渡すかぎ
りを褐色一色にして、空から農薬を撒くようになるしかないでしょうね。貪欲な穀物メジャーと低賃金の農業労
働者が営む農業。連作障害を防ごうとちまちまパッチワークを出現させたりする家族経営は滅んでいい、とい
うことでしょう。より多く儲ける者が勝ちという世の中では、自分の手で生産する喜び、信頼できる人が生産する
物を消費する安心、それに景観を楽しむ人の幸せなんか、効率の妨げとしてしか計算されないのでしょうね。