噴煙と原野と白い花
昨日の硫黄山―川湯に咲くイソツヅジの続きです。本州なら山奥でもないのにこれだけ広い土地が放置されて
いたら、すぐに開拓され農地・工場団地・住宅地などになるのでしょうね。北海道でも明治以降ずいぶん開拓が
進んだはずですが、それでもまだこんな原野が残っています。20世紀末のバブルがはじけなかったら、ここに今
の姿はなかったのかも。最近はロシア極東部でエネルギー開発が進んで、オオワシの絶滅が心配されるとか。
今は地方の景気が悪くてここは原野のままに放置されているけれど、例えば地熱発電で儲かりそうだとなった
ら、噴煙と緑を背景に広がるイソツツジは見れなくなるのかも。そう考えると不景気にもメリットがあるような。わた
しは人為の関与が少ない自然が好きです。もっともまったく道がなくては原野に入り込むことはできません。だか
ら、動植物や景観を損なわないように細心の注意をして、ある程度は観光開発はしてもらいたいのですが。
西ヨーロッパではゲルマン人の時代には広がっていた平地の森が消え、現在では人為を尽くした街と農地にな
っているのだとか。その代わりよく管理された公園が街に作られている、と。日本の本州は大きな公園も作らない
まま、山地以外では乱開発が進んでしまったのかな。北海道には、18世紀までは西欧にも残っていた「ヒースの
荒野」みたいなところが、まだいくらかはあります。なんとかこういうところを残す方向に進んでもらいたいな。