古(いにしえ)の人の心は

そらさん、関東はそろそろ入梅でしょうか。こちらはようやく山に緑が多くなり、海岸草原が次々と花々で彩られ

る季節が始まっています。

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 旭川市の博物館に初めて入ってみました。数は多くないのですが、北海道先住民のなかなかきれいな遺物が

展示されています。一枚目は縄文時代、次は続縄文時代、三番目はオホーツク文化期の土器。4番目は函館

で発掘された埴輪で、5番目は縄文時代の装飾品です。最後はアイヌのイナウ。

 どれも貨幣や儲けや経済発展などとは無縁に、主として狩猟採集で自然にまみれてくらしていた人々の心を窺

わせるような。一枚目の土器、左右対称ではなく少し左に傾いていますね。手作りだから、伝統に忠実にきちんと

作ろうとしても、どこかしらゆがみが生じ、それが作り手の技量やそのときの気持ちを反映することになります。

 続縄文の壷は紋様が少し複雑です。分厚い口の部分を見ていると、作っている人が掌に感じていた触感が伝

わるような。オホーツク文化の土器では、口よりちっと下の微妙なふくらみが魅力的です。ぐるりとめぐらされた小

さな模様には、一つ一つになにかの意味が込められていたのでしょうね。その意味を知りたいなー。縄文の埴輪

は表情がなんとも幸せそうで、見ていると頬が緩みます。

 装飾品は富とか権力の象徴ではなく、自然が親しい人を護ってくれるようにという願いを込めて、近親や仲間か

ら贈られた物でしょうか。もらった人が誰かに贈ることでもなければ、その人の死骸と一緒に埋葬されたのでしょ

うね。アイヌのイナウは、まるで異界に住む自ぬ分たちの仲間に対するような、神=精霊をなだめたりすかしたり

おどしたりする、彼らのいはば人間くさい「信仰」を思い出させます。