崖に花咲く島の朝
着した翌日の早朝、島の最南端にある灯台の見えるところまで散歩しました。海と崖に挟まれた狭い平地に、か
ろうじて車がすれちがえる舗装道路がつくられ、その山側に家々が立ち並んでいます。いたるところに避難路の
標識があり、崖を登る道の入り口を示していました。
朝のうちは時に小雨もぱらつく曇り空。ほの暗い家々の裏手から崖の草叢にかけて、浮かび上がっていた黄色
はスイセンの一種でしょうか。白は崖より民家の庭に多く咲いていました。ギジムシロの黄色い花は、いつもこち
らで見るものよりかなり大きいような。遠目だとキンバイかと思ってしまいます。潮風に茎がなえたのでしょうか、
フキの花が垂れている様子はなかなか風情があります。遠くに群れていた白い花は多分ハマハタザオ。エンレイ
ソウやエゾエンゴサクはウチのあたりより遅く、まだ盛りだったみたい。
朝の散歩で見た花は、この島に咲く高山植物の予告編みたいなものでした。なにしろ「花の浮島」がキャッチフ
レーズですから。