エゾエンゴサク色変わり
エゾエンゴサクは花の色に変異が多い野草です。今年は白を10本近く見つけました。ピンクもあります。それ
に紫も。と言ってもこれらは少数。ほとんどが青ですが、青のなかにも薄い色と濃い色があります。一本の茎に
ちがう色の花が付いているのも多いので、遺伝子のちがいではないのかも。何が一輪一輪の色を決めているの
でしょうね。
林に若緑がけむる樹が増えてきています。エゾエンゴサクの地上部は間もなく姿を消すのでしょう。芽が出た
のが4月中旬以後ですから、光を浴びる期間はわずかです。あとの10月余は地下に蓄えた養分と生殖細胞を
護って、ひたすら来春を待ちます。
せせらぎ公園の崖上、美富自然公園の群生地には、透明なビニールの帽子をかぶせられたエンゴサクが点々
と。去年ここで出合った女性の仕事だと思います。美幌博物館の学芸員かな。繁殖を援けようと保護しているの
でしょう。端野のカタクリやタンチョウヅルもそうですが、人が美しいと感じる動植物には保護の手が差し伸べられ
ます。人が美しいと思わない生物の場合、放置されて絶滅する件数がとても多いのだとか。それが生態系に深
刻な影響をもたらすと、何かで読んだことがあります。いま生物種絶滅は、過去の生物大絶滅イベントよりずっと
急速に進行しているのだ、とか。