海凍る
そらさん、-20度は慣れてしまえばわりと平気です。何しろ家のなかではストーブ
が赤々と燃え、車は寒冷地用のヒーターが暖めているし、野外へはきちんと着込ん
で行きますから。そんな文明の利器のなかった時代にこの地で生きてきた人々のこ
とを思うと、ほんとうに頭が下がります。ロシアや北極圏の人々は、さらに寒い-40
度にもなるところでくらしいるのだから、ヒトの適応力もたいしたものです。
1月13日 能取岬
能取岬の北側では海の表面が凍りはじめていました。飛沫が物に付着して剥が
れ氷片になって漂う量より、海そのものが凍ってできる海氷の方が圧倒的に多いと
下してくる流氷だけでなく、現地で発達する沿岸氷も寄与しています。
海の真水が結晶した氷の粒が多いところは、白かったり茶色がかっていたりして、
まだ塩分が分離していない海とは色が違っています。三枚目の辺縁のクローズア
ップには、結晶が集まって帯状になるところが写っています。色の濃い部分を拡大
してみると、氷の細かい粒が濃密に集まって重なり、グリース状になっているのが
わかります。
やがてこの部分の表面が平らな板状に凍り、波にもまれて砕け、ぶつかり合って
角が取れ、縁が盛り上がって蓮の葉状になるのでしょう。さらにぶつかり合い重な
り合って大きな氷塊になって流れます。南下してくる流氷も、アムール川河口などで
このようにしてできるのだと思います。
オホーツク海地方に警告されていた大雪は、何とか免れそうです。昨夜の風雪も
たいしたことなく、今日も何十センチも積もることはなさそうなので、ほっとしていま
す。北風だったので、明日晴れれば沖に流氷を目視できるでしょうか。