渡りの前に
タムラ、またしても大きな地震、ほんとうに自然災害の多い国ですね。そんな場
所に位置しているからこその恵みもあるのですが。それはわかっていてもやはり、
犠牲者を思うとやりきれない気持ちになります。
湖畔には、憩う水鳥が増えています。写っているのはいずれもカモ科の鳥です。
大きい方の白鳥は、悠々と水に浮かび餌をあさり、近づくわたしを気にしません。
ほとんどは首が黒ずんでいる幼鳥です。親鳥は遠出して、雪の融けたどこかの畑
で、去年残した落穂を拾っているのでしょうか。水辺に残った幼鳥も一生懸命食べ
ています。長い旅の前にじゅうぶんな体力をつけないと、途中で命を落とすことに
なるから。
小さい方は神経質で、わたしが少しでも近づく気配を見せるとすぐに飛び立ちま
す。クローズアップが撮れないので、種を同定しようという気にもなりません。こちら
は餌を漁る一方で、離水・着水・編隊飛行など、旅の集団行動の練習にも熱心で
す。
女満別湖畔がカモ科の鳥で賑わうのは春と秋の2回。集結して渡りの準備をした
り、長旅の疲れを癒したりするのに適した条件を備えているのでしょう。