天界に咲く
そらさん、昨日行った旭岳姿見平は、夏の盛りでも気温が20度を超すことは少
ないとか。人々が連日の猛暑で苦しむアスファルトジャングルと、全くちがう世界
でした。
8月2日 大雪山旭岳姿見平
旭岳ロープウエーの頂上駅から始まる探勝路は、標高が1500から1600m。
富士山や日本アルプスの3000mを超す山々に比べれば、たいした高さではあり
せまん。だけどこれでも森林限界を超えています。関東以西の山なら2500m以
上に匹敵するでしょう。ここは気候も風景も植生も、下界とはちがう天上の世界で
す。
大雪山系にはそんな場所はいくつもあるようです。だけどここ以外は、何時間も
登らないと行けません。足腰の弱ったわたしにとっては、今やここだけが唯一天界
を楽しむことができる場所です。
毎年6月から9月までの間に最低でも1回は行っています。合計だと10回は超
えます。それなのに今度も新鮮でした。行く時季やその年の気候で、植生が様々
に変化するからでしょう。
雪の降らない4か月弱が花の季節。その最後を締めくくるのがエゾオヤマリンド
ウです。今回わたしが目にしたのは一か所だけ。盛りのミヤマアキノキリンソウに
囲まれていました。8月後半から9月に開花する仲間の先駆けだったようです。
行くたびに会えるのを楽しみにしているのはコマクサ。探勝路沿いでわたしが気
づいた唯一の場所が、道を挟んで姿見の池の向かい側です。いくつもの群れが
咲いていた年もありましたが、今年は一株だけでした。他はもう終わってしまった
のでしょうか。
この探勝路でハクサンチドリを見たのは初めてです。霧多布などの海岸草原で
は6月前半の花なので、意外でした。咲いているのを確認できたのは2カ所だけ
です。葉はたくさんありそうなので、これからもっと咲くのかもしれません。
以上の3種は一株だけ、あるいは2株だけ見つけた希少な花です。その他に6
たくさん残っていました。ちょうど季節だった花や風景も交え、おいおいアップしま
す。