ヤチは谷地、谷のことです。ボウズは坊主頭。湿地のスゲ類の根が、冬の凍結
で株ごと持ち上がり、春の雪解け水で根元がえぐられて細くなります。そこへ枯れ
た茎葉がかぶさると、調髪していない坊主頭に似てくることからつけられた呼び名
のようです。
ぼさぼさ頭みたいな姿を見るには、もう少し泥が乾いている場所で、新芽が伸び
る前がいいですね。上の写真では首回りの細い部分が水の下で、垂れ下がる茶
髪が新しい緑に隠されています。あれから半月ほど経った今は、完全に葦原に没
し、どこにヤチボウズがあったかも分からなくなっているでしょう。