三色に咲くリラの花 巨大カルデラ噴火 4
6月2日 ご近所の庭
五月六月は町内の家々の庭をさまざまな花が飾る季節です。今の主役はリラ。
英語由来の名だとライラックになります。ウチの敷地にはないので、ご近所の庭
で撮らせていただきました。
真ん中の二枚がこの花を代表する薄紫。色としても「ライラック」と呼ばれます。
白もときどき見かけます。だけど最後の濃い紫は珍しい。古代紫と言えばいいの
でしょうか。
巨大カルデラ噴火 4
ここからはわたしの感想です。
記事は、日本を破滅の縁に追いやるかもしれない巨大カルデ
ラ噴火に警鐘を鳴らしています。通常の噴火とはちがう、その
メカニズムを説明し、過去の例を紹介しています。読んだわた
しに湧いたのは、こんなイメージです。九州でM8台の噴火が
する。それによる死者は数百万から1千万。偏西風に乗って火
山灰が広がり、窒息したり、食糧の生産・供給壊滅で餓死した
り、降灰の重みで崩壊する建造物の下敷きになったりして、本
州全域でも死者が続出する。電気・水・ガス・交通・通信など
の生活インフラが破壊され、さらに死者が増える。消防・救
急・医療は機能せず、傷病者が放置される。最悪、九州・四
国・本州で住人のほとんど、1億人近くが死滅する。列島だけ
でなく国外にも、「火山の冬」が到来し、食糧生産や経済の混
乱が波及する。
月号77頁)によれば、火山灰が3mm積もると飛行機は航行不
能になり、1cmでは変圧器がショートして通電が停まり、飛
行機と自動車のエンジンが故障します。3㎝だと家畜が病気に
なり上下水道が不通に、10cmで土壌の窒息で作物が壊滅
し、道路は通行不能になる、とされています。火山灰は乾燥し
ていても、雪より10倍重いのだそうです。
そんなイメージにもかかわらず、わたしは九州の巨大カルデ
ラ噴火自体による列島住民の全滅はないのでは、と考えていま
す。北海道と沖縄を中心に、2千万人前後は生き残りそうで
す。火山灰土に覆われた大地も、数十年・数百年後には有機物
由来の土壌に覆われ、生産性を回復します。やがて人々は本
州・四国・九州に拡散し、再び人口が回復する、と。
7300年前のM8台の鬼界カルデラ噴火で、発展が始まっ
ていた九州縄文文化がほぼ壊滅したと言われています。しか
よると、5200年前の九州人口は、噴火前の8100年の
人口の約3倍になっています。(もっとも、もともと縄文時代
は西日本全体の人口が、東日本全体の10分の1前後なのです
が。)北海道でも、7600年前に起きたM7台の屈斜路・摩
す。巨大噴火よりもっと過酷かもしれない氷河期の環境を、旧
石器人は生き残って新石器時代の繁栄につなぎました。ヒトと
いう生物は、けっこう頑健なのだと思います。
現代では、港湾や空港が機能を回復した後のことですが、列
島住民の生き残りと回復、あるいは諸外国への移住には、国際
的な理解と支援が重要な要素になります。それまでの日本とい
う国が世界の庶民にどう評価されてきたかが、問われることに
なります。その点で、目先の景気にこだわり、海外派兵に前の
めりになっている安倍内閣の姿勢は、とても気がかりです。
(続く)