釧路湿原五月末 巨大カルデラ噴火 2


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                        5月24日 釧路湿原恩根内遊歩道

 湿原は気持ちのいい緑の季節です。ワタスゲの白い穂は、まだつつましい大き

さです。木の枝の間に隠れた赤い鳥は、名前を調べられるほどはっきりとは撮れ

ませんでした。


巨大カルデラ噴火 2

 

 以下の記述では、いくつか他の資料から補充はしています


が、知見のほとんどを「日経サイエンス」四月号の特集記


事「破局噴火」に依拠しています。記事は二つで、筆者はどち


らも雑誌編集部の中島林彦です。初めの記事では協力者が東京


大学地震研究所の前野深、もう一つは神戸大学の巽好幸です。


  ここでの記述は記事の忠実な要約ではありません。素人のわ


 たしの頭に入りやすいように、専門的な詳細を省き、二つの記


 事の興味ある部分にだけ注目し、勝手な順序で取り上げていま


 す。記事の趣旨から逸脱しないように気を付けましたが、理解


 力の不足で、間違って解釈しているところがあるかもしれませ


 ん。興味を持たれたら、記事に直接目を通してください。連載


 4回目からは記事に触発されたわたしの感想です


 噴火規模の尺度として使われる、噴出物総量を示す噴火マグ


ニチュード()という数字があります。Mは重量の対数から7


を引いたものです。Mが1増えると、噴出量が10倍になりま


す。以下で後に「」のあるMと噴出量の数字は、記事からでは


なく、地質学者早川由紀夫のサイト、「早川由紀夫の火山ブロ


グ」のうち「キロトン、ギガトン、メガトン、テラトン」から


採っています。なお、記事では噴出量を体積で書いています


が、早川さんの数字は重量です。


 1990年の雲仙普賢岳の噴火はM4(4億トン)台、江戸時


代の関東地方に大災害をもたらした富士山の宝永噴火はM5(


0億トン)台です。これら山体噴火は最大でもM5.7のようで


す。巨大カルデラ噴火はだいたいM7より大きく、上限はM9


台です。M9台では、人類滅亡の可能性があるとか。過去36


00万年間の世界で、一回だけ起きているようです。


 日本列島は陸のユーラシアプレートと北米プレート、海のフ


ィリピン海プレートと太平洋プレートがぶつかる場所に位置


し、地殻に様々な方向から力が加わっています。そのため噴火


の頻度が高く、全世界の噴火の1割近くが日本で起きていま


す。日本列島で直近の巨大カルデラ噴火は、7.300年前の


鬼界カルデラで起きました。M8.1(1兆トン)。過去1万年


間では世界最大規模です。2万8000年前の姶良(あいら=南


九州桜島周辺)カルデラでは、M8.3で2兆トン。8万7000


年前には、阿蘇カルデラで4回目の噴火があり、規模はM


8.4。噴出物は3兆トンです。過去10万年の巨大カルデラ


爆発で、北海道の3回はM7台。九州のM8台よりは小規模で


す。直近では、7600年前に屈斜路・摩ルデラが噴火し


ました。(続く)