冬の霧
-20度を下回った朝、美幌川周辺に広がっていた霧です。子どものころは、湧き
はじめたやかんから出る湯気を、水蒸気だと思っていました。H2O分子が空気中
にまばらに散って動いている気体の状態では、目に見えないのだと知ったのは、
いつ頃だったかなー。それと、高温になると蒸発が始まるというより、水の表面温
度が、接している空気の温度より暖かいと、気体に変わるのだということ、温度差
が大きいと蒸発が活発になること、などもずいぶん遅く知ったような。
美幌川の流れは厳寒期にも氷で閉ざされていません。0度をほとんど下回らない
ということです。外気が-20度なら温度差は20度。蒸発が活発になり、どんどん気
体になるけれど、熱をすぐに外気に奪われます。運動エネルギーが衰え、H2O分子
が集まって小さな水滴になったのが上の写真の霧でしょうか。
空気中を浮遊する小さな水滴は、氷点下に冷えても凍らない過飽和の状態にあ
るとか。それでも-30度ほどになると、浮遊したままで凍り、氷霧になるのだそうで
す。わたしはきっと氷霧と霧を見分けることはできないでしょう。内陸とは違って美
幌あたりでは、めったに-30度はありません。それでも移り住んだばかりのころは、
一冬に1,2回はその付近まで冷える夜があったような。だとすれば、気づかないま
ま氷霧を見たことがあるのかも。