かすかに見えるオホーツク海
小清水高原から網走・ウトロ間のオホーツク海海岸線まで、50キロほどでしょう
か。かすかに海を陸と見分けられる距離です。三枚目で中央やや右寄りに濤沸
湖が見えています。湖沿いに国道を走ると、8キロはあるように感じますが、写真
では水たまりのような大きさです。
紀元前3千5百年ほどの時期に、縄文海進と呼ばれる海水準の上昇期がありま
した。年平均気温は現在より1~2度高く、海面は今より3メートルほ上だったのだ
そうです。そのころ同じ場所から眺めたら、景色はだいぶちがっていたでしょうね。
きっと海岸までずっと樹海が続き、濤沸湖のあたりは海。海が近くて、もっとたやす
く陸と見分けられだかも。
今後100年以内に、最善でも2度は平均気温が上昇します。縄文海進期より大
きな気候変動です。ならば、この風景もきっと変わります。
視界が広いので、思いが及ぶ時間のスケールも大きくなったみたいです。先の
短い年齢のせいもあるかな。だんだん人類史・生命史・地球史・宇宙史みたいな、
長い尺度の出来事が身近に感じられるようになっています。無限の中に溶け込む
ような死のイメージが、わたしにとっては宗教の代わりなのかも。