日の出前


 デジモナさん、秋にウチの庭で獲れたカボチャより大きな大根ですね。

 高齢者割引で航空券を買ってウチに泊まれば、けっこう安く冬の北海道を経験できますよ。いかが?







 清少納言は「春は曙・・・・」と書いたけれど、わたしは冬の曙が好きです。浅く雪が積もり、空が晴れていれば、

ですけど。あともう一つ、気温が-15度を下回ること。-30度まで行くと、顔の露出部分が痛いから、

-20度ほどがいいですね。

 ようやく雪原と枯木の霧氷が見えてくるころ、美幌川の土手を歩きはじめます。深雪ではラッセルが

つらいので、20センチくらいの積もり方が最適です。3月末には雪が凍ります。それからなら、もっと多

くても気持ちよく歩けます。

 南の空で、阿寒の山々が黒いシルエットになっています(三、四枚目)。南東の藻琴山の稜線際で、だ

んだんピンク色が濃くなります。青みを増す空には、まだ月が高く輝いています。人の足跡で雪がでこぼ

こに固まった土手道です。無雪期と違って、歩くだけでもけっこうな運動量です。駒生川に架かる橋に着

くころは、体が暖まっていい気分です。

 帰路では、霧氷を纏った木々が桜色に染まっています。運がよければ、煌くダイアモンドダストや、枯

枝で陽が昇るのを待っているオジロワシに出会えます。気がつかずに近づいて、突然飛び立つオオワシ

に驚かされたこともありました。