カルデラ地帯


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                         12月25日 摩周湖第一展望台

 第一、第三展望台に立ち、正面の摩周湖カルデラから体を回して背後を眺めれ

ば、峩々たる阿寒の山地が連なっています。ひときわ高い富士山型の山は雄阿

寒岳。その陰になかば隠れるようにかすかに見えているのは、雌阿寒岳と阿寒富

士です(最後の二枚)。山地に視線を遮られて見えませんが、雄阿寒とその先の二

山がカルデラを挟んでいます。そして、阿寒山地と摩周湖外輪山の間に沈ん

でいるのが、屈斜路湖カルデラ。ここに立つと、三つのカルデラが互いに隣接して

いることが実感できます。

 この一帯と九州の阿蘇姶良―鬼界が島と続くカルデラ地帯が、日本でただ二

つ、巨大カルデラ噴火の可能性がある地域なのだとか。今はともに、時にいびき

をかくように噴煙を上げるものの、眠っている状態なのでしょう。地下のマグマだま

りに十分なマグマが蓄積されると覚醒します。外輪山からガスや水蒸気が噴出さ

れ、地下空間の圧力が低下すると、外輪山に囲まれた広範な一帯が同時に陥没

する大噴火に至るのだそうです。地質年代の時間を基準考えれば、近いうちに

両カルデラ地帯で、日本列島の文明をほとんど崩壊させる大噴火が起きることは

間違いないようです。

 間違いなくても、それが数千年後なのか、数百年後なのか、数年後なのかは分

からない。まさか数年後ということはなかろうと思うから、カネもうけに血道を上げ

たり、戦争に備えて軍備を増強したり、身の回りの小さなことに心を悩ませたりし

て、普通に生きていられます。宇宙史や地球史の時間尺度と、個人、あるいはヒト

という種の時間尺度の次元がまったく違うことは、わたしたちにとって幸せなことな

のかな。