麦の秋
7月14日 佐呂間町仁倉
サロマ湖展望台に向かう途中の田園地帯で、麦畑が二色に色づいていました。
手前のきわだ色は秋蒔小麦で、その先の緑黄色は春蒔きでしょうか。時刻は朝
7時少し前、明るい光が降り注ぎ、ビート畑と丘の緑、そして赤い屋根が麦の色を
引き立てています。
子どものころ生麦を口にしたことを思い出します。戦争が終わって間もないころ
で、みんな空腹を抱えていました。そんな中で子どもの誰かが始めたのでしょう。
穂を一本失敬して、殻を剥き、粒を口に入れます。噛んでいるうちにガムのような
塊に。しばらくすると呑みこまずに吐き出します。小麦でなく大麦だったかもしれま
せん。甘みも旨みもなく、腹のたしにもならないむなしい遊びでした。