6月末の湿原に咲く
結愛さん、わたしも料理は好きです。食いしん坊なので。
ジャガイモの花、きれいですよね。色も白だけでなく紫や赤っぽいのもあるし。
6月29日 釧路湿原温根内遊歩道
海岸草原に花に比べると釧路湿原の花は地味です。屈み込んで覗き込み、よう
やく気がつく小さなものもあります。元気に伸びてきた葦に、紛れるように咲いてい
る花もあります。水が凍りその上に雪が降り積もる季節が長い過酷な環境です。だ
からこそ、乾いた草原での繁殖する草花との競争を免れ、ここで細々と生き継いで
きた種もあります。
ミツガシワは花がほぼ完全に終わっていました。全行程で見つけたのはこの一
本だけ。近年は盛りの時季でも以前ほどの勢いが感じられないような気がします。
葦類に競り負けつつあるのでしょうか。
タネツケバナは田んぼの畔などでよく見られるのだそうですが、このハナタネツケ
バナは東北・北海道の湿原だけにあるのだとか。径1.3センチほどの小さな花で
す。それでも木道脇では見つけやすい方です。
シコタンキンポウゲは軌道敷跡の水辺でだけ。ヒメカイウはその他に、木道が木
立のなかにさしかかるあちこちの水中にも咲いていました。ここのワタスゲは霧多
布湿原のように密集して大きく広がることはありません。散在していたり、小さな群
れになっていたり。この日は、もう盛りを過ぎていたのかもしれません。
ヤナギトラノオの黄色は派手で、強い陽射しを受けるとよく目立ちます。歩きはじ
めたときは曇っていましたが、軌道敷を経て木道にさしかかるころには晴れ上が
り、盛夏の気温になっていました。異常に雨が多く、日照時間が短かかった6月は
終わったのでしょうか。
まだ何種類かありますが、また別の日に。