コーン畑の丹頂
この二羽は夫婦でしょうか親子でしょうか。他にもずっと遠くに、小さな白い点が
いくつか動いています。コーンの刈り跡が広がるこの田園地帯に、かなりの数の
丹頂が来ているようです。
雪が消えると鶴たちは給餌に頼るのをやめ、各地に散っていきます。釧路湿原
野付半島や濤沸湖畔でも見たことがあります。数は1500羽を超えたのでしょうか。
釧路湿原一帯だけでは狭すぎるので、営巣地を広げているようです。
鷲やカモ類ほど人への警戒心は強くないので、車の通行が激しい道路際のコー
ン畑でも落ちた粒を拾う姿を見かけることがあります。地域に住む人たちは一時絶
滅に瀕した丹頂を救おうと、冬季に給餌をしたり少々の農業被害を寛容に見過ごし
たりして保護してきました。だから人を恐れないのでしょうね。完全な野生というよ
り、スズメやイエツバメのような、人と共生する鳥になっているのでしょうか。
数の増加とともに、棲息地を広げ給餌を止め野生に戻そうとする動きも始まって
とすれば寂しいことですが、人に頼らずに生きるたくましい野生を取り戻してもらう
のはいいことでしょうね。何しろヒトは、自らの愚かさでいつ滅びるかわからないと
ころにきているから、頼っていたら道連れにされてしまいますよ。