秋の名残


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                      11月5日・10月26日 美幌町

 本州人なら、いまの北海道は冬だと感じるでしょう。わたしも、雪が積もった日

はそう思いました。晴れていても、朝晩はもう秋の雰囲気ではありません。夜中

にはよく零下になります。そして、東の空で雲が退いて陽光が満ちてくるのは、

たいてい九時すぎですから。

 それでもそのつもりで探せば、秋の名残がまだ見つかります。昨日訪れた美幌

霊園では、赤い楓の混じった落ち葉が暖かく輝いていました。せせらぎ公園につ

ながる通路脇には、色づき途中の草が一株。裸木の間に、鮮やか色の黄葉を

った幼木が一本。そして、霊園入口に続くナナカマドの並木では、おおかたは地

落ちたけれど、まだ枝に残る赤い実がありました。

 初雪が積もった翌朝も、秋が完全に退場してしたわけではない、冬の独り舞

台はもう少し後と、近所の公園で赤い葉や実が呟いていました。