サロマ湖畔の目立たない花
7月5日 キムアネップ埼
6月後半から7月の初めにかけて、海岸や湖岸の草原はハマナス、アヤメ、キス
ゲ類やスカシユリなど、大きくて目立つ花でにぎやかです。だけどその蔭で、ほと
んど人目を惹くことなくひっそりと咲く花もあります。
この日キムアネップ埼の遊歩道では、春にはそれなりに鮮やかな色彩を誇って
いたハマエンドウが、猛る緑に包囲されてくすんでいました。
歩道を逸れて湖水際の砂浜に下りると、さらに地味な花ばかりです。ギンミズヒ
キは足を止めて見つめたり、背景を暗くして撮ったりすれば、小さく白い花弁に飾
られた茎の曲線が快くて、わたしは好きです。だけど白けた陽射しに曝されている
だけでは、すぐ傍を通ってもたいてい目を向けません。
ちぎれて打ち上げられた藻に囲まれ、ひっそりと咲いていたのはハマハコベでし
ょうか。すでに実を付けている株もあります。黄色い小さなボンボンのような花はコ
りも秋になってエゾオグルマが咲くと華やかになります。