ツルコケモモの花は小さい
6月17日 釧路湿原恩根内木道
緑のミズゴケの上に、明るいピンクの飛沫がわずかに散ったような花。立ったま
ま見下ろすと、目に入るのは色彩だけで形まではわかりません。あまりに小さい
ので、木道で立ち止まって眺める人も稀です。
拡大すると、カタクリのように裂片が反り返っています。その長さは9ミリほどに
もなるそうですが、ここではせいぜい5ミリ程度に感じられます。亜寒帯から寒帯
の沼地の植物です。英語ではクランベリーだから鶴のイチゴ。水を張った畑で栽
スに加工されるのだとか。
ヒメシャクナゲと同様に、れっきとした木なのに小さく小さくなりました。寒い土地
の高層湿原を生き残る方途なのでしょう。やはり小さな虫がいて、花粉を媒介する
のでしょうか。ミニの世界にもそれなりの生態系があるのでしょうね。