北太平洋の荒い波
4月22日 浜中町の海岸
ようやく凍結のなくなった道を、330キロの遠出です。これだけ走ったのは半年
ぶりでしょうか。浜中は釧路と根室の間にある海辺の街です。太平洋に接する海
岸線は長く、地図でざっと見ると40キロは超えていそうです。複雑な凹凸があるの
で、もっとずっと長いかも。その海岸に沿った道路を、後静(しりしず)から涙岬まで
辿りました。間には霧多布の二つの岬があります。
たくさんの大きな岩が海に屹立し、断崖絶壁が多く、波が白く泡立つ海岸でした。
馴染んでいるオホーツク海側の海岸が穏やかに思えてきます。昨日はよく晴れた
ので、能取岬も暖かかったと思います。それなのにわたしが立ち寄った浜中の崖
上は、冬のように冷たい風が体がふらつくほど強く吹き荒れ、空の海鳥を翻弄して
いました。
も津波に見舞わています。17キロに及ぶ防潮堤に囲まれた街は、城塞都市のよう
だと言われることもあるとか。ポロト沼、火散布(ひちりっぷ)湿地、霧多布湿原など、
水辺の多い低地の道を走っていると、無防備に見える集落もあります。荒れる海
の音が、ひと時の訪問者に過ぎないわたしの心にも不安を誘いました。