見つめるエゾリス
を構えたわたしを見つめるシーンを集めました。横目でこちらを窺っているとき
は、目の形がきっちり写っています。白目がほとんどない丸く黒い瞳です。正面か
らら捉えたときは三角眼。両手をついて上半身を起こし、白い胸から腹を見せてい
る姿が一番かわいいかな。
堅果を好みますが、虫なども食べる雑食です。でも基本的には狩る側ではなく狩
られる側です。だから広い範囲で外敵を見つけられるように、目は両側についてい
ます。狩る動物は両眼視で獲物の位置を正確に測れるように、目が前面にありま
す。
こちらをじっと見つめているのは、好奇心からではなく、外敵に出会ったときの防
御姿勢なのでしょう。動かずにじっとしている方が注意を惹く可能性が小さくなりま
すから。葉の茂った樹上などでは確かに有効な防御方法です。エゾアカマツの葉
陰で静止してしまうと、そこにいると分かっていても、姿を見つけることはほとんど
できません。
この日はたくさんのリスが雪上に出ていました。地中に蓄えた餌を食べるため
め、5,60センチまでは雪を掘る能力があるそうです。だけど今年は1メートル以
上積もりました。飢えていて、木の根回りが浅くなったところで、暖かい陽気に誘
われ、一斉に出て来たのでしょう。
白い雪の上では動かずにいても容易に見つけられます。それでも散歩する人に
気づくと、やはり静止してしまいます。幸い人がいれば狐は出てきません。散歩中
の人はリスに危害を加えず、微笑んで見ていてくれます。犬連れはあまり多くない
くないし。