岬の海は凍結を待つ
14日に小清水の海を漂っていた流氷のかけらは、能取岬を避けて沖合を南下
したようです。岬周辺の海で氷塊を見ることはできませんでした。沿岸でもほとん
ど凍結が始まっていません。昼の気温が高い日が続いているからかな。それでも
海面に、砕ける波とは別な、白っぽい部分があります。細かな氷晶が集まってジャ
ム氷(グリースアイス)の層ができはじめているのでしょう。
やがて海岸ではしぶきが凍り、流氷の破片が打ち上げられ、ジャム氷が集まった
蓮の葉氷が漂着し、陸と接続する沿岸氷が発達します。沿岸氷が沖に伸び、南下
してきた流氷本体とつながれば、海の大氷原の出現です。その風景は、白い海氷
と青い海面がさまざまに入り混じる風景よりは単調ですが、やっぱり壮大です。
じ。こんな低緯度で流氷が押し寄せて凍結する海は、世界中で北海道東部北部
沿岸しかないようです。能取岬は、知床のウトロの高台とともに、広大な海の氷原
を見渡すには絶好の場所です。凍結期にウトロまで行くのは億劫ですが、能取岬
なら空模様を見て気軽に出かけられます。今冬も何度か岬を歩くことになるでしょ
う。