低く飛ぶ白鳥
タムラ、細かいところに気がつくね。確かに枝を握っていた爪の形が残っていて、
2回、3回と羽ばたく間にまっすぐに伸びていくよ。
氷上にいた一群の白鳥が、突然走り出したかと思うとすぐに離陸して空へ。上
空高くは昇らないので、引っ越しではありません。エサを漁れる割れ目を探しに
出かけるのでしょうか。氷をうっすらと雪が覆っています。翼の白が紛れ、遠い鳥
は見分けにくくなります。
カメラを片付けて帰りかけたとき、再び戻ってきました。着陸すると勢いを殺す
ためしばらく走ってから停止します。全長150センチ前後、翼を広げれば2メート
ルを超える大きな体です。体重もかなりあるでしょう。小鳥のように身軽に離着陸
できません。飛行機が滑走してから離陸し、着陸してから滑走して止まるのに似て
います。
着陸した一羽が氷に足を滑らせ、転倒しそうになりました。でも羽を半ば広げて
バランスを取り、走りながら何とか体勢を立て直しました。準備していなかったの
で、このおしろいシーンを撮れなかったのは残念です。