晩秋の屈斜路湖
このところ地球史に興味が出て、関連する本を読み漁っています。細かな理論
はなかなか頭に入りません。それでも激動の絶え間ない地球の歴史に、あらため
て様々な感慨が湧きます。
形成期のマグマオーシャンに覆いつくされた状態から、徐々に冷えて固体地球
の層構造ができる。しかしそれも静止しているわけではなく、プルームテクトニクス
の上下運動と、プレートテクトニクスの水平運動で絶えず変動している、ということ
だそうです。
今も冷え続ける地球上で人が生きていられるのは、灼熱の地球内部と地表・大
気圏の間に熱の循環があるから。屈斜路湖は地球史的にはごく最近の活動でで
きたことになります。アフリカでホモサピエンスが分岐したころの30万年前に、屈
斜路火山が大噴火を起こし、日本列島弧にその末裔がたどり着いた3万年ほど
前にようやく少し落ち着き、噴火跡が湖になったようです。
東西約26キロ、南北約20キロで、日本最大のカルデラ湖。それでも、数百年前
の硫黄山形成まで繰り返された噴火で、当初よりはだいぶ小さくなったのだとか。
人が住み始めてからは、噴火や火山性地震のたびに、くらしも大きな影響を受け
大半はもちろん、東アジア一帯の動植物が生きる環境を激変させたはずです。
そんな過去を思いながら小清水高原から眺めた晩秋の屈斜路湖です。まだ朝
なので、霧が残っていました。