山の稔り


 そらさん、後退する雪渓を追うように次々花が咲く6月後半こそ、天上庭園の真骨

頂です。ぜひいつか見に来てください。

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 旭岳高原探勝路で左右に目を凝らせば、コースの半分以上で、群生している矮

性の木にびっしり付いた実が目に入ります。粒は小豆台・大豆台の球形です。赤

はコケモモ。口に入れると酸味が勝ります。少ししわが寄るまで熟せば、甘みが強

くなるのでしょうか。

 黒はガンコウラン。まだ若かったころ、あまり人の入らない知床の登山道で、雪

渓が終わったところに群れているこの実を、掌いっぱい集めて口にいれ、渇きを癒

した記憶があります。かなり甘く感じたような。当時は知床横断道路などありませ

んでした。

 白はシラタマノキ。三種の中で一番大きな粒です。ほのかかな甘みはあります

が、メントール臭が邪魔をして、たくさん食べたいとは思いません。だけどシマリス

にはごちそうなのかも。せっせと摘んで食べている姿を見たことがあります。わた

しは気付きませんでしたが、この日もいたと言っている人がいました。

 わたしたちは栽培された甘い果実が手に入るので、山の果実にはそれほど執着

しません。だけど、シマリスだけでなく、ヒグマなどにも貴重な稔りなのでしょうね。

人の多い旭平に熊が現れたという話は聞きませんが、探勝路・登山道は広い大雪

山系でわずかな面積を占めるだけです。動物が満足するほど木の実が稔る場所

は、たくさんあるのだと思います。