能取岬の夜明け


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 雲の多い空の下で、灯台の明かりが薄闇を貫いて回転しています。草露に足首を

濡らしながら歩くうちに、雲間に昇った太陽が、海に光の道を描き、山々の上空をう

す桃色に染めます。僅かに見えはじめた青空の下に、小さい牧舎がぽつんと。牛も

馬も今朝は違う場所で草を食んでいます。気がつけば灯台の明かりが消えていま

す。ここに灯台守はいないはずです。センサーが作動したのでしょうか。