釧路湿原初冬


 そらさん、光っているのは明らかに氷です。ただ普通にイメージされる透明で平らな氷ではなく、みぞれ状の

ものかもしれません。


 デジモナさん、イチョウの落ち葉が散り敷く並木に、明るい陽光が降り注いでいますね。こちらも晴れた日は明

るいのですが、光はもっと弱々しいような。下の写真も晴れた日です。

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 釧路湿原は、日本の全湿原面積の6割を占め、北端から南端までの距離は、埼玉県大宮市から東京都品川

区までの距離に匹敵すると言われます。釧路川釧路市街で海に注ぐ南南西方向を除き、丘や山に囲まれた

湿潤な低地です。北端と南端の中間地よりやや南の高台、細岡展望台から望めるかぎりの湿原を、18ミリで南

から順に撮ったら、6枚になりました。

 雪で白く覆われる前は初冬の雰囲気です。遠くからでは、蛇行する釧路川以外は乾いているように見えます。

しかし踏み込んでみると、葦原も木立も下は浅い沼やじくじく水が染み出す泥炭地です。夏でも霧に覆われる時

間が長く、日照時間が少ないので、気温があまり上がらず、枯れた草木の分解が進みません。そのため、標高

は2~10メートルの低地なのに、泥炭が堆積する高層湿原になっています。

 1万年前から6千年前までの温暖期には、海水に覆われた湾だったそうです。それ以後の海退ととも

に、土砂や泥炭の蓄積が進み、現在の姿になりました。しかしいま、人為起源の温暖化が進んでいま

す。控え目な見積もりでも、海水準上昇は10メートルを超えます。100年後、ここは再び湾になっている

のでしょうか。自然が6千年かけてつくった景観を、人はわずかな期間で壊してしまうのですね。偉大な

るかな人類!