摩周湖の霧
から情熱だと思い込んでいたんですけど。
「霧の摩周湖」という言葉に前は、〈いつ行っても見れない、じれったいなー、もう〉みたいな、否定的な
意味を感じていました。でも何度も行くうちに、青い湖水に中島一つを浮かべた風景が単調な気がして、
わたしのなかで、〈閉じ込められた霧がさまざまに動いて、おもしろいじゃん〉みたいな、肯定的な言葉に
変わりました。
でも欲を言えば、全体が灰色で覆いつくされているより、青い湖面の一部とか、中島のてっぺんとか、
ちょこっと見えていればパーフェクト。まあ、湖中央だけでなく、湖岸の急斜面に靄っているところとか、外
輪山に這い登ってあふれ出そうとしているところとかに注目すれば、それなりにバラエティーがあるか
ら、これもまたいいんですけど。
日は逆に湖から釧路方向へ動いていたような。だけど、見ている間は、外輪山を越えて外になだれ落ちるところ
まではいきませんでした。あともうちょっと、みたいな瞬間はあったんですけど。