野付半島点景 その二
茫々とした海岸草原、その間に割り込む海、遠いシルエットと化した疎林、水草
や藻で色づく海面など、野付湾側の風景は変化に富んでいます。何よりなのは、
高い建物や山など視界を遮るものがほとんどないため、のびのびとした気分にな
れることです。唯一一か所、ナラの木の森がその前の海を隠す場所があるだけで、
たらどうなるのかと、心配になったりもします。なにしろ標高が1メートルにも達しな
いような気がする半島です。車で逃げるにしても、突端から根元まで20キロはあり
半ます。常の住居なのかどうかはわかりませんが、漁業関係らしい建物はけっこう
あって、働いている人々の姿も見かけます。半島全体が水没するような事態が起き
ないことを願うばかりです。