2018-04-18 湿原荒涼 日記 #春 4月12日 釧路湿原温根内 軌道敷跡にはフキノトウや萌える草の芽も見られたけれど、茫々たる枯れ葦原 を貫く木道からは緑は欠片も目に入りません。小鳥の声も聞こえません。遠方の 騒がしい鳴声は蛙でしょうか。わたしの足音が近づくとぴたりと止んで、一帯を静 寂が支配します。動くものに気づいて目を上げると一群の鹿が枯野を疾走していま す。カメラを構える暇もなく枯れ葦のなかに姿が隠れました。釧路湿原の最初の花 は黄色いエンコエソウ。この花が咲くまでの湿原はただ荒涼としています。