冬の釧路川源流域


 盆栽文化さん、そらさん、春近しを感じさせる海とちがって、庭には1メートル近い

が残っていて、雪融けはまだ遠いと思わされます。

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                        2月18日 弟子屈町古丹付近

 初めは湖から流れ出す何の変哲もない川の一つと思っていたので、車を停める

こともありませんでした。だけどこれが釧路川の源流だと知ってからはいろいろ思

うことがあり、立ち止まって眺めたり写真を撮ったりするようになりました。釧路川

は広大な釧路湿原を潤す水の主な供給源です。

 釧路湿原は経済効果だけを求める観点からは、利用価値のない荒れ地にすぎま

せん。しかし太平洋に近い低地に、本州なら標高の高い山奥の水辺にしか残って

いない希少な生き物が棲息する場所です。丹頂鶴のように、そもそも本州にはいな

い生物も支えています。その湿原を釧路川が維持してきました。

 写真の地点は標高121m、ここから154㎞流れて釧路の海に注ぎます。もとも

とは蛇行する下流域が、雪融けや大雨のたびに氾濫し、湿原に水を供給してきま

した。いまは岩保木から先は、掘削された直線の新釧路川が本流となり、乾燥化

が進んでいます。それでも岩保木より上流には今も湿地が残り希少生物の棲み処

になっています。

 わたしは源流域と塘路湖から細岡までの二か所でカヌー下りを経験しました。ゆ

るやかな流れに乗って、ときおり雛を連れた丹頂やエゾシカが姿を見せる湿地の

森の、静寂の雰囲気は忘れられません。時が移って自然に乾燥するまでは、釧路

川に湿原を潤し続けてほしいと思います。